Entrance Bookについて
Carbon CryoCaptureに興味をお持ちいただき、ありがとうございます!
このEntrance Bookは、「高濃度CO2を高効率に分離・回収する素材・技術」を開発している私達と、そのプラントが作る日本の未来について少しでも知っていただきたいと思い作成いたしました。
私たちCarbon CryoCaptureが考える「高濃度CO2吸収材・プラントによって、日本のエネルギー安全保障を維持する」ミッションと、その実現を共に歩んでいただける方と出会えることを願っています。
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事業開発責任者(BizDev)
オープンポジション
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サイトマップ
1. Mission / 会社の目的
高濃度CO2吸収材・プラントによって、日本のエネルギー安全保障を維持する

日本のエネルギー安全保障の状況
- 日本はエネルギー自給率がわずか10%台にとどまり、先進国の中でも突出して低い水準にあります。石油や天然ガス、石炭といった主要エネルギー資源のほとんどを海外から輸入に頼っており、世界的な資源価格の変動や地政学リスクによって、エネルギー供給が左右される極めて不安定な構造を抱えています。
- その中でも、発電や産業利用に不可欠な「天然ガス」は、日本のエネルギー供給において大きな割合を占めています。これを安定的に確保することは、日本の経済活動・市民生活の基盤を守るうえで避けて通れない課題です。今後は、既存の調達先に依存するだけでなく、新しい資源開発や革新的な技術を活用したエネルギー確保が、国家的な戦略課題となっています。

(出典:資源エネルギー庁「エネルギー自給率の推移」より)
未採掘天然ガス田の存在
- 世界には、まだ開発されていない**「未採掘天然ガス田」が数多く存在**します。特に東南アジア地域では、ガス田の約6割がCO₂濃度40%以上にもなる“高濃度ガス田”であり、従来の分離回収技術ではコストが高すぎて経済合理性が見合わず、開発が進んでいません。
- しかし、これらのガス田に眠る埋蔵量は莫大であり、日本円換算で500兆円規模に匹敵すると推定されています。もしこれらの資源が活用可能になれば、単なる一企業の収益機会を超え、日本やアジア全体のエネルギー安全保障、さらには世界的な資源供給の在り方を大きく変える可能性を秘めています。もし日本がこうした未開拓資源の利用に成功すれば、エネルギー確保において有利な立場を築くことができます。

(出典:産業競争力懇談会COCN「炭酸ガスマネジメント技術の開発」より)
高濃度CO2吸収プラントの社会実装
- カーボンクライオキャプチャー社は、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)で15年以上にわたり培われてきた研究成果を基盤に、従来技術では困難だった「高濃度CO₂ガスの分離回収」を可能にする新素材・新プラントを開発しています。
- 当社が用いる独自の高分子吸収材(PDMS)は、CO₂を効率的かつ低コストで分離することができる素材です。この技術を活用すれば、これまで経済性が見合わなかったガス田でも開発が可能となり、安定的な天然ガス供給を実現できます。
- さらに、分離されたCO₂はドライアイスやカーボンクレジットといった新たな価値へと転換できるため、単なる資源回収にとどまらず、脱炭素化にも直結する技術です。私たちは、こうした革新的なプラントの社会実装を通じて、これまで採掘困難とされてきた天然ガス田の開発を可能にし、日本がエネルギー安全保障の観点で優位に立ち、同時に世界の脱炭素社会に向けた新しい道筋を示すことをリードしていきます。

(出典:出光興産「石油・天然ガス開発とは?」より)
2. Product
1.Core Technology:世界初の「低温分離 × ポリマー吸収材」によるCO₂回収技術
- カーボンクライオキャプチャーの基盤技術は、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)で開発された革新的な低コストCO₂回収技術にあります。
- この技術は、従来の化学吸収や膜分離とは異なり、低温での気液分離とポリマー吸収材(PDMS: Polydimethylsiloxane)を組み合わせることで、従来に比べて大幅に効率を高めています。
特長は以下の通りです:
- 高効率:高濃度CO₂環境でも安定した吸収・分離性能を発揮
- 高耐久性:50万回以上のサイクル試験をクリア
- 低コスト:従来のアミン吸収方式に比べ、エネルギー消費を大幅に削減
この技術により、これまで経済性の壁から未利用だった「高濃度CO₂を含む天然ガス田」も開発が可能となります。
2.Plant:社会実装を見据えたCO₂回収プラント
- 私たちは、このポリマー吸収材を基盤にした高濃度CO₂回収プラントの社会実装を進めています。
- 本プラントは、天然ガス田や産業副生ガスなど「CO₂濃度が高すぎて従来利用できなかった資源」から有効成分を取り出し、天然ガスの安定供給とCO₂資源化の両立を実現します。
特徴的な点:
- モジュール型設計:ガス田や工場の規模に応じて柔軟に導入可能
- 資源化の二重効果:天然ガス供給を安定させつつ、CO₂はドライアイスやカーボンクレジットとして活用
- 脱炭素への直接貢献:資源開発とカーボンニュートラルを同時に推進
私たちが目指すのは、「エネルギー確保」と「カーボンリサイクル」を同時に実現する新しい社会インフラです。
3. Customer
Needs⑴:天然ガス
- 天然ガスは、燃焼時の CO2 排出量が石炭の約 6 割とクリーンなエネルギー源であると言われる。SOx や NOx などの有害物質の排出も少ないことから世界的に石炭からの置き換えが進んでおり、BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)の報告1)によると 2020 年の世界のエネルギー消費においては、天然ガスが占める割合が全体の 25%に達したとされている。
- 2020 年において採掘された天然ガスの 4 兆 m3 から、開発時に CO2 換算で20%がGHGとして排出されると仮定した場合、年間約 16 億 t の CO2排出量と試算される。天然ガスの消費は、世界的な拡大が続いており、需要の増加に応じて、大規模天然ガス田の開発が進行中である。2030 年における CO2排出量は 18 億 t を超えると予測される。

(出典:資源エネルギー庁「化石エネルギーの動向」より)
Needs⑵:水素
- 現在、産業界で流通する水素の大部分は、化石燃料の水蒸気改質によって製造されており、シフト反応(CO+H2O→CO2+H2)の工程で CO2が発生する。全反応CH4+2H2O→4H2+CO2)より、副生する CO2は水素 1kg あたり 5.5kg である。
- 世界で製造される約 9,000 万 t の水素に由来して排出される CO2量は、約 5 億 t と試算できる。脱炭素化が進む中、水素ガス市場は CAGR6%での拡大が見込まれおり、2030 年には CO2排出量が 6 億 t を超えると予測される。

(出典:資源エネルギー庁「目前に迫る水素社会の実現に向けて」より)
Needs⑶:バイオガス
- バイオガスは、家畜排せつ物、食品廃棄物などのバイオマスから生成される、メタン約 60%と CO2約 40%からなる混合ガスである。未利用バイオマスの活用が進む中、バイオガス市場は 2040 年までに複合年間成長率(CAGR)11%で拡大するとされる。IEA の発表によると、全世界のバイオガスの年間発熱量は約35Mtとされており、メタン発熱量 35.8 MJ/m3とし、1t を42GJ と仮定すると、年間の CO2 排出量は約 400 万tである。2030 年には CO2排出量が 800 万 t を超えると予測される。

(出典:一般社団法人 日本有機資源協会「国産バイオマス発電の導入見通し」)
4. Team / 組織